5ステップで言いにくい助言をうまく伝える方法

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ある程度親しい中の人に対して、これは言いたいんだけど、なかなか直接的には言いにくいということ、よくあるんじゃないでしょうか?家族、友人、上司や部下への提案などもこれに含まれるかもしれません。

例えば、中高年の親が、怪しい壺を購入するために高額を払おうとしているとき、「バカなこと考えてるんじゃないよ!」と伝えるのは簡単ですが、これは、うまい伝え方ではないような気がします。大抵の場合、口論になって終わりではないでしょうか。

こんなときに役立つのが次の5ステップです。

1.共感する
2.頑張っているところ、できているところをたずねる
3.褒める、認める、感謝する
4.さらっと助言
5.助言に対するフィードバックを求める


それでは、詳しくみていきましょう。

1.共感する

自分の考えを頭ごなしに否定されては、相手の言うことをきこうとは思えません。反論があるときこそ、まずは、相手の主張に理解を示すことが大事です。

先の例であれば、「へぇー面白そうな壺だね」「もしかしたら値段の価値はあるかもね」「運気を上げたいと思ってるんだね」などと伝えることができるでしょう。


2.頑張っているところ、できているところをたずねる

コミュニケーションはポジティブなメッセージのやり取りが基本です。これについては、3:1のポジティブ比に関するブログもご覧ください。

それに対して、助言をすることは、ネガティブなフィードバックと受け取られがちです。助言が非難と取られないように伝えることも大事ですが、事前にポジティブなメッセージを十分伝えてから助言をすることで、ネガティブに受け取られたとしても、コミュニケーション自体の雰囲気を悪くしなくてすみます。

反論や助言をしたくなるということは、その方が何かをしているということだと思います。もちろん、何もしていないとしても同じです。つまり、それを通して、何かを成し遂げようとしているわけです。その裏には必ず、肯定できる意図があります。ここでは、それを引き出していきます。

親が壺を買おうとしていたら、家族の幸せを願っているとか、もっと人生を楽しくしたいとか、壺を売りに来てくれた人が良い人だったとか、何かしらの前向きな理由があるはずです。行動を「起こせずに」いる人も、「起こさずに」いるのかもしれません。それによって、平穏で安全な人生を作ろうとしているわけですね。

その部分を引き出していく、具体的には、「壺買って、こんな風になったらいいなってのは、あるの?」とたずねたり、「どうしてまた壺なんて?」と、広くたずねてもいいかもしれません。こちらに非難する意図がないとわかれば、相手も打ち明けて話してくれます。「壺買って、自分たちに財産を残してくれようとしたの?」なんて、きいてみてもいいかもしれません。

それに加えて、「そーいえば~していたもんね」「そーいえば~してくれたこともあったね」などと、実際にできていることについても話していきます。「他にどんなことしてるの?」とたずねてもいいでしょう。


3.褒める、認める、感謝する

ポジティブ比は3:1というお話をしましたが、1~3でポジティブなメッセージを伝えることで、次の助言がネガティブになっても大丈夫という計算です。

2.でうまく相手のいい部分を引き出して、3.ではそれを明確に指摘します。

「壺を買う前向きな意図」や「その意図に向かってこれまで行ってきたこと」がわかったら、それを指摘し、「~してくれてありがとう」「いつも~していてすごいね」「本当に~な人でなんだね」と、ポジティブなメッセージを伝えます。


4.さらっと助言

ここまで基礎を丁寧に作って、やっと助言ができます。基礎の部分を省いてしまう方が多いのですが、それでは、安定した関係を築くことはできません。当然、相手の変化を促すことも難しくなるでしょう。

せっかくポジティブな雰囲気を作ったので、助言も、できるだけさらっと、しかし、明確に行います。

「そういえばさぁ」「私は思うのだけど」「もしかすると」などの言葉を使って、控えめな印象をあたえることができるでしょう。

人は、自分をコントロールしようとする相手に対して反発したくなるということを心にとどめておいてください。コントロールしようとする意図はなるべく出さないようにします。

しかし、あいまいな表現は相手に伝わりません。壺について言えば、「それは高すぎるかもね」「他にも方法がありそうな気がするけど」「それはわかるけど…(無言で伝えようとする)」などは、こちらの「壺を買うのは止めた方が良い」という思いを伝える助言や指摘にはなっていません。

具体的には「そこでさ、壺は買わなくてもいいんじゃない?」「壺についてはすぐに買わずにもう少し調べさせてもらいたいんだけど…」「もしかしたら、壺を買う以外にも方法がありそうな気がするんだけど、壺を買わないとだめかな」という表現があるかもしれません。

5.助言に対するフィードバックを求める

助言を伝えたら、それに対して相手がどう思ったか、必ずフィードバックを求めるようにします。ここで、思いを率直に伝えられるような雰囲気を1~4までで作っておくことが重要です。

4.の自然な流れで、「どうかな?」「どう思う?」とか、より明確に「やっぱり壺、買いたい?」とたずねることができます。

ここで、「じゃあ壺か買うの止めるよ」とか「もう少し考えてみる」となればいいのですが、ならないこともあります。ならなければ、もう一度1.に戻って、丁寧な対話を続けましょう。

場合によっては、いったん保留にしたり、相手を変えることを諦めて、こちらが変わることを決断したりすることが必要になることもあります。

コミュニケーションの目的は、あくまで、自分ができることをすることです。最終的に相手がどう決断するかは、あなたではなく、相手の責任の範囲にあります。ここまで丁寧に助言をして、変わらないのであれば、それは、その方の強く望んだ選択ですので、周りの人間としては、応援するか、距離を置くかしか、できることは無いでしょう。


いかがでしたでしょうか?「100%相手の決断を変えることができる!」とは言えませんが、この方法を使えば「100%助言をうまく伝えることができる」はずです。


お試しいただければ幸いです。


(同)実践サイコロジー研究所
木内敬太




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